2016年のタオバオ・天猫(Tmall)はこうなる!(「アリババサミット2016」に参加してきました)

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こんにちは!上海TUの久能です。
毎年恒例「アリババサミット」の2016年大会に参加してきたのでレポートしてみようと思います。

ちなみに「アリババサミット」というのはアリババ・タオバオ・天猫(Tmall)の利用企業(主に出店メーカーや運営代行業者など)が一同に会し、アリババグループの1年の方向性や戦略が発表されるという場。
(中国語では『2016阿里巴巴商业服务生态峰会』)

出席者は1,000人以上にものぼり、お祭り好きなアリババグループだけあって会場はにぎやかな雰囲気でした。とはいえ出席者にとっては自身のビジネスのあり方にも大きな影響を与える内容が発表される場でもあるので異様な緊張感にも包まれていました。
(もちろん上海TUも大きな影響を受けるので、私たちがいちばん緊張していたかも ^^; )

というわけで、中国市場開拓・中国EC進出を狙う日本企業の参考にもなれば、との思いで(出席された方も少なくないのかな~とも思いつつ)レポートしてみたいと思います。

2016年の最大の目玉は「モバイル化」(无线化)

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どこの国でもネットやECはモバイル化が進んでいますが、アリババいわく「中国ECのモバイル化はすでに完了した」とのこと。タオバオ・天猫のアクセスの70~80%、成約の60~70%はモバイルで発生しています。上海TUのクライアントを見ても、業種やショップによって多少の振れ幅はあっても、おおむねそんな感じです。

で、アリババCEOの張勇氏いわく、モバイル化は次の段階に進むべき、ということなのですが、それは「オムニチャネル化」だと。

第二の目玉「オムニチャネル化」はまだ初期段階

「O2O」とか「オムニチャネル」という言葉が聞かれるようになって何年も経つような気がしますが、成功例というか、どういう形態ならうまくいくのか?という事例はあまり聞かれないように思います。

アリババも同じ認識のようで、「オムニチャネルは初期段階。オフライン、特に小売業はともにビジネスのネット化・電子化の推進役となって欲しい」と言っていました。

「そもそもビジネスは(オンライン、オフラインの)二つに分かれているものではなく、一体のもの。すべての企業はうまいことデザインしてビジネス全体のモバイル化・ネット化・電子化という問題に取り組んでもらいたい」みたいなことでしたが、あまり具体的に「どうすれば良いよ」というお話は聞かれませんでした(笑)。この辺はこれから数年で取り組んでいくことなのでしょう。

第三の目玉は「ビッグデータ」

タオバオ・天猫のショップのよりよい運営にはデータの活用が欠かせませんが、これまでは自店舗のデータはともかく、市場全体のデータは活用できない、というかあまり開放されていなかったように思います。

これからはビッグデータの時代ということで、「聚星台」というツールを出店者やサポート企業にも開放していくつもりよ、というお話が聞けました。

タオバオ・天猫(Tmall)でのショップ運営・ブランド運営はどう変わるか?

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ここまではネットやECの世界がどう変わるのか?という内容でしたが、ここから私たち出店者、つまり「タオバオでモノを売りたい人たち」がどう振舞ったらよいのか?というテーマに入っていきます。やっとメインディッシュですね! ^^

メッセージは結構シンプルです。「メーカー・ブランドは、商品のメーカーであると同時に、コンテンツメーカーになりなさい」ということだと私たちは理解しました。

従来のタオバオ・天猫は検索とカテゴリからアクセスを得て、売り上げにつなげる「ショップ運営」が有効でした。
しかし、これからは(スマホを四六時中いじりながら断片的な情報を取得する人が大半、という世の中なので)情報を発信する人、や情報そのものがそのまま消費行動につながる時代になる、と。

もちろん今までもそういう消費行動は存在したのですが、今後ますますそういう傾向が強まる、とアリババが予測しているのです。

この変化に合わせて、アリババは商品カテゴリごとの運営体制から、コンテンツやKOLを前面に出した運営に転換していく、ということまで言及していました。

個人的に「おっ!」と思ったのは、「智能店舗」機能の導入

私個人的には、こういった大きな変化はまぁ、そうだよね~という感じだったのですが、期待したい機能のバージョンアップがありました。それは「智能店舗」というそうですが、新規客とリピーターで違うコンテンツを表示させられるという新機能です。これで、長年の日本企業の懸案だった(?)「新規のお客さまのみお試し○元!」というキャンペーンができるようになるかも知れません。でも、まだ本当に実現されるか分からないので、期待しないで待っていましょうね(笑)。

まとめ:アリババは私たちにとっては一つの選択肢に過ぎない。目的は中国市場での成功

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アリババ張勇CEOの話を聞いて思ったのは、「だいぶWeChat(微信)を意識してるんだな~」ということ。周囲の中国人を見ても、微信は1日に何度も開いてますがタオバオ・天猫のアプリはそう何度も開かれていないでしょう。微信のモーメンツでモノを売っている人は相当いますし、統計に表れないだけでもうすでの微信でのモノの流通量はすごいことになっているのかも知れません(これも「EC」と呼んでも差し支えないでしょう)。

かといってタオバオ・天猫が「コンテンツの運営!」と言ったところで、消費者には「どうせモノ売るためのコンテンツでしょ?」と思われてしまうのは容易に想像がつきます。
アリババ(タオバオ・天猫)が販売プラットフォームとしての地位を急激に下げてしまう、ということは考えにくいですが、じわじわとCtoCの流通額を奪われていくとしたら、恐怖を感じて「うちもコンテンツだ!」となってもおかしくはないですよね。

翻って、私たちは日本の優れた商品を中国市場に販売できれば問題ないわけですから、プラットフォームがアリババグループだろうが、テンセントグループだろうが関係ないといえば、ないですね。(2009年ごろからずっとタオバオ・天猫で闘ってきたので、少々寂しい感じはしますけど・・・ ToT )

「メーカー・ブランドは、商品のメーカーであると同時に、コンテンツメーカーになりなさい」という張勇CEOの言葉は、ある意味では当然で、マーケティングの基本・定石と言えるかも知れません。私たちは、それぞれの目的にあったプラットフォームを選んで、粛々とやるべきことをやっていくだけで、「中国での販売を成功させる」という目的は達成できると考えています。

アリババでの会議内容を「聞いてきましたー」とドヤ顔で(笑)レポートしていますが、実はアリババの短期的な動きは参考程度に考えておいて、マーケティングの基本に忠実に動いていくことが大事だよね、という思いを強くしたのでした。

P.S.
上記はごくごく簡単にレポートしたものです。ご出席された方で、「あれに触れてない」「この解釈は間違っている」などのご指摘がありましたら、お手数ですが こちらのフォームまでお知らせください m(_ _ )m