中国越境ECに大異変!?4月8日に施行される中国の越境ECに関する法律がヤバい。

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こんにちは!上海TUの久能です。

中国人観光客の「爆買い」に負けず劣らずアツいテーマである越境EC
今のところ日本ではあまり報じられていないようですが(4/1現在)、中国の越境EC業界ではかなり騒がれている、ある法律が4月8日に施行されます。

この法律によって、日本から中国への越境ECのあり方が根本的に変わってしまう恐れもあるので、ここでレポートしておこうと思います。

その前に中国の越境ECってどうなってるの?

まずは中国越境ECの状況についておさらいしておきましょう。

(中国EC、特に越境ECについてはまさに日進月歩といった感じで、日々状況が変化しています。あくまで執筆時点(16年4月1日)の状況であることをあらかじめご了承ください)

天猫(Tmall)が「天猫国際」、京東が「JDグローバル」という名で越境ECのスキームをはじめたのが2015年のことでした。両者とも中国国内で弊社(上海TU)のようなECサポート業者を集めて発表会をしたり、日本やアメリカ、オーストラリア、ヨーロッパなどで出店企業募集のイベントを行ったり、ちょっとしたバブルの様相を呈していました。

日本企業も、

・中国の現地法人がなくても出店できる
・中国での商標登録がなくてもOK
・化粧品や食品も衛生許可なしで販売できる
・税制上のメリットがあるので安く消費者のもとに届けられる (←これが最も大きい)

というメリットがあり、(一見)手軽に出店できるので注目していた方も多いと思います。

(実際は、著名ブランドでないと出店できなかったり、費用が100万円単位でかかったりと だいぶハードルが高く、断念した企業も多いでしょうね ^^; )

2014年の日本から中国への越境ECの市場規模は6,000億円以上と言われ、2018年には1兆4,000億円に達するという予測もあります。
(経済産業省の予測より)

中国への越境ECが成長している背景にはこのような「税制上のメリット」があったことも大きいわけですので、今回の法改正での実質的な増税が日本企業に与える影響は小さくないといえるでしょう。

4月8日の法律改正でこう変わる

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今回の法律改正で変わるのは、以下の数点です。

・個人の1回の取引における購入上限が1,000元⇒2,000元に引き上げ。年間で20,000元が上限(これは今までどおり)。上限を超えると、一般貿易の税率を適用(関税、増値税とも)
・行郵税の適用を廃止し、代わりに増値税および消費税を7掛けの税率で適用(関税は徴収されない)
・50元以内の輸入関税なら免税、の措置は廃止

この改正によって、商品カテゴリごとに以下のように実質増税されます。

table

・・・とこの表をつくりながら思ったのは、結構減税になるカテゴリが多いじゃないか!ってことですね ^^;
ま「50元以内なら免税」が廃止されるということが大きいと予想されているので、実質増税だと言われているのでしょう。

それぞれの中国市場に挑むプレイヤーへの影響は?

中国市場にはいろんな形で挑戦しているプレイヤーがいます。この法改正も、「どんな形態で中国にチャレンジしているのか」でプラスになったりマイナスになったりするでしょう。ここで、それぞれのプレイヤーにどんな影響があるのか?を予測してみようと思います。

■すでに中国での知名度があるメーカー:
当然ながら越境ECのスキームの売上は減ることが予想されます。一般貿易で正規輸入し、中国国内販売を並行しておこなっているなら、そちらを強化することでカバーできそうです。また「代購」(個人業者による代理購入)はおそらく減ることはなく、タオバオ(CtoC)や微信(WeChat)を活用した代購によって、引き続き中国への実質的な輸出販売は拡大することが可能でしょう。

■中国での知名度がないメーカー
失礼ながら、越境ECのスキームではなかなか売りにくかったことでしょうから、今回の実質増税でもあまり影響を受けることはないでしょう。一般貿易を経て小売店などで直接消費者に販売したり、中国国内での宣伝を工夫するなど、「直接販売」「知名度UP」に取り組むことで地道に中国での売上を拡大していくことが必要かと思います。これは法改正前後で変わることはありません。

■小売業として越境ECに進出しているプレイヤー
当然ながら、増税の影響を受けて売上減に見舞われる恐れがあると思います。ただ、商品カテゴリによってその影響度は違いますので、粗利構造も加味したうえでフロントエンド商品、バックエンド商品の見直しなどを行うことで業績をカバーすることは可能かも知れません。

売れてる商品がもっと売れる、という構造は変わらない?

上海TUではメーカーさんのご相談を受けることが多いのですが、越境ECに関しても多くのお問い合わせがあります。何社か取り組んでまいりましたが、結論としては「越境ECというスキームは魔法でも何でもない!」ということ。地道に中国市場を開拓する、という姿勢があれば越境でも一般貿易でも成功はできると思います(ちょっと乱暴な言い方かもですが^^;)。

越境ECでは、天猫国際などで売れてる商品はすでに中国での知名度があり、一定の市場を持っている商品だということはご存知かと思います。つまり、ものずごく乱暴にいうと「越境ECでは、もともと売れてる商品が、もっと売れるようになっている」という現象です。これから中国市場を狙うメーカーさんや、まだ「売れてる商品」のポジションを手に入れてないメーカーさんは、越境や一般貿易、代購の違いにかかわらず、まずは小さい範囲でも「売れてる商品」のポジションをつかむことが先決かと思います。

だいぶ「越境ECの法改正」とは論点がずれてきてしまいましたが、参考にしていただければ幸いです。