中国の検索エンジン「百度」の信頼低下で中国ECにも大異変の予感!?(魏則西事件)

こんにちは!「日本メーカーの中国進出をECを通じて支援する」上海TUの久能です。

ここ数日、中国の検索エンジン「百度」をめぐるスキャンダルで中国のネット界が揺れ動いています。

「魏則西事件」の衝撃。百度の信頼性をめぐって中国は話題騒然

こんな事件がありました。

(引用)
中国国営の新華社は2日、大学でコンピューターサイエンスを専攻する魏則西さんが、珍しい型のがんの治療を北京市内の病院で受けたと報じた。この病院に関する記事が百度のサービスで宣伝されているのを家族が見つけたことから、魏さんは治療を受けたという。治療には約20万元(約329万円)の費用がかかったがうまくいかず、魏さんは4月に亡くなったと新華社は伝えた。
(引用ここまで)
Bloomberg 5月3日(火)1時44分配信 より

つまり、百度検索で上位表示(1位)だった病院を信用して治療を受けたら、ほぼ詐欺だった、というようなことのようです。ことの真偽やこの病院の背景などはここでは扱いません。

「中国市場へのECを利用した進出」に興味がある私たちとしては「百度の信頼性」ということを取り上げたいと思います。

百度にまつわるウワサは以前から珍しくなかった

すでにご存知のことと思いますが、百度は中国の検索エンジン市場で圧倒的なシェアを誇っています。

「中国IT市場情報」さんよりお借りしました

「中国IT市場情報」さんよりお借りしました

これはもちろん、ユーザーの支持があってのことですが、実は以前から百度の検索結果には不満が少なくありませんでした。

今回の「魏則西事件」が起こるずっと以前から、です。

検索結果上位のホームページの記述内容に、検索エンジンはどこまで責任を持つべきか?という問題はとってもむずかしく、ここでは扱いにくいので脇に置いておきます。

ですが、じつは百度の検索結果がらみの「事件」は、日常的に起こっていることでもありました。魏則西事件が話題になってから、似たような事例がどんどん掘り起こされています。

身近でも、よく見聞きしています。

私の上海の友人は百度でトップに表示された引越し会社に引越しを依頼したら、恐喝にあったことがあります。(お金は脅し取られたのですが、引越しはちゃんとやってくれたそうです・・・ ^^; )

また、弊社(上海TU)のスタッフは、
「日本やアメリカでは検索エンジンで上位表示する化粧品や、健康食品を特に躊躇することもなく買う」
ことに対してものすごく驚いています。

中国では、「そんなこと(百度の上位表示の健康食品をいくつも飲む)していたら命がいくつあっても足りない!」そうです。

また、ここからは小さな声で話しますが(笑)
知人で百度のSEO(検索結果上位表示の技術)やSEM(リスティング広告など)のコンサルティングをしていたTさんは

「百度のSEOは、リスティング広告買えばあがるよ。実際試してみたらそうだったし、百度の営業もそうやって広告売ってるよ~」

とお茶飲みながらさらりと教えてくれたことがあります。(驚)

じゃあなんで百度がずっとシェアトップなの?

そんなウワサがつきまとう百度ですが、中国のユーザーに支持されてるのは事実。
(だってシェア74.4%%ですから)

なんでなんだろう?って疑問が当然浮かびます。
で、ずっと考えていたのですが・・・この記事を見つけて、なんか分かったような気がしました。

まずは、この地図をご覧ください。

MEMBERSさんのHPより引用しています

MEMBERSさんのHPより引用しています

・・・いかがでしょうか?中国以外のすべての国・地域でGoogleがシェアトップ、という現状を表しています。
これを見て私は、「なんだ中国ではただGoogle先生が追いやられているからじゃないか」と思ってしまいました。(汗)
邪推ですよね、はいすみません。

きっと、百度には百度なりの、中国の検索ユーザーの74%を引きつける魅力があるに違いありません。そうでないと、こんなに検索結果がらみの事件があって、実際に被害を訴えるユーザーがいっぱいいるのにいつまでもシェアを維持できているわけはありませんからね。

もし、Google先生が中国本土に返り咲いたら?日本メーカーのチャンス再浮上も

Google先生に期待?!

Google先生に期待?!

ここからは妄想ですが、仮に今回の事件などが発端となって「検索に自由を!」という声が高まり、(Google側も一定の情報を検索できないようにするなど譲歩したうえで)
Google先生が中国本土に返り咲くことができたら。

中国ECの世界も様変わりすると思います。

中国では、ネットで買い物をしたい人の大多数がタオバオ(淘宝網)にまずアクセスする、という行動習慣がありますが、
これに変化が起こる可能性が大きいです。

Googleで検索して自社販売サイトにアクセスし、そのままクレジットカードで決済するということが一般的になるかも。そうなると、淘宝網・天猫・京東などプラットフォームのシェアが落ちていくきっかけになることも考えられます。

自社販売サイトの構築、集客、CRMの仕組みづくりなどのサービスが盛り上がるでしょうね。現在のように、プラットフォームの顔色をうかがうばかりじゃなく、ちゃんと「ユーザー(購入者)」に向き合い、寄り添う本来のECの形が実現するかも・・・そうなると本来の意味での「マーケティング」ができるメーカーが勝つよなぁ・・・
なんて。。

妄想でした ^^;

でも、そうなったらまた、日本企業が中国市場に再チャレンジする意味が出てくると思うんですよね。越境ECなんかよりも、大きなチャンスになると思います。

若干ポジショントークもありましたが(笑)今後の中国ECへの取り組みを考えるときの、参考になれば幸いです。

※「魏則西事件」について、日本語の報道はまだあまりされていないようです(2016年5月6日時点)
 個人ブログ?ですがこの記事がよくまとまっていると思います。
 この記事でも参考にさせてもらいました。
  【特集】中国、魏則西事件:滑膜肉腫の大学生の死が大きな波紋-バイドゥ―株暴落、医療機関・軍を巻き込む事態に発展

※中国の検索エンジンシェアグラフの引用元はこちらです 
 
2015年 中国検索エンジンシェア

※アジアの国別検索エンジンシェアの元記事はこちらです
  2016年海外検索エンジンシェア新常識!|日本・中国・台湾・香港・他7カ国(2016年1月版)