2017上半期の中国ネット通販B2C市場シェア、天猫・京東微減、唯品会・蘇寧が躍進

2017年上半期の中国ECは34.8%の成長!

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中国電子商務研究中心の発表した《2017年(上)中国網絡零售市場数据監測報告》(以下「報告」)によると、中国の2017年上半期ネット通販市場(B2C)の売上額は、3兆1000億元、日本円で52兆3900億円(1元=16.9円)にも達しました。2016年上半期の2兆3000億元に比べ、34.8%増大しています。なお2017年通年では、7兆6000億元、43.4%増の見通しです。2012年は1兆3000億元に過ぎなかったのですから、5年で6倍近くになる計算です。


中国電子商務研究中心の曹主任は、2017年上半期は“618電商狂歓節”の仕掛けが功を奏し、高成長を維持することができた。下半期は“双十一”“黒五”“双十二”などの活動が控えておりさらに弾みをつけるだろう、と述べています。相変わらず、日本ではなかなか聞く事のない景気のいい話ですね(笑)。

以下、業界のトピックを取り上げていきます。

天猫50.2%、京東24.5%と不動のトップ2ながら、シェアは微減

まずシェアから見ていきましょう。なおこれにはB2Cサイトのシェアで、自営商やブランド直販通販は含まれません。

2017share

天猫 50.2%、JD京東 24.5%、唯品会 6.5%、蘇寧易購5.4%、国美在線 4.1%、その他9.3%、の順となっています。
その他には、「1号店」「亜馬遜(アマゾン)中国」「当当」「聚美優品」などが含まれています。

次に前年同期比を見てみましょう。
天猫 -3%、JD京東 -0.3% 唯品会 +2.7% 蘇寧易購 +2.1%、国美在線 +2.5%、となっています。

シェアの変動は全般に小動きでした。天猫の覇王としての地位は揺らいでいません。しかしわずかながらシェアダウンが見られます。第二位のJD京東のチャレンジャーとしての地位も変わっていません。シェアを増やしたのは、唯品会、蘇寧易購、国美在線の第二グループでした。

JD京東と第二グループ(唯品会・蘇寧)の戦略

唯品会

ここでは二位のJD京東、三位の唯品会、それに四位の蘇寧易購 3社の動きを見てみましょう。

JD京東の2017年上半期の売上は、5184億元、利用ユーザー数は2億5830万人でした。今年の618セール期間6月1日~18日の売上は、1199億元、売出し商品の出荷は7億件に達し、JD京東の上半期業績に巨大な貢献をしました。また上半期、JD京東の創業者・劉強東は、“第四次零售革命”として「京東百万便利店計画」を発表し、ネットと実体店舗の全方位融合をぶち上げています。

唯品会の2017年上半期売上は、334億7000万元、利用ユーザー数2810万人でした。これで19四半期連続の増益です。唯品会は上半期に、シェア拡大計画を実施しました。高度な人材、先進技術、ニューメディア、ネット金融、物流速度などあらゆる資源を投入し、サービス水準を上げ、販売促進につなげたとしています。

蘇寧易購の2017年上半期のGMV (Gross Merchandise Volume 一定期間の成約総額)は500億元に達しました。蘇寧は積極的な市場戦略を継続実施し、広告による販促の強化、アップグレードしたサービスの提供によって顧客規模を増やす戦略を実施しました。そして家電、3C産品(Computer、Communication、Consumer Electronics)での優位を保持します。また独自の優秀なO2Oモデルを実現すべく、経営効率の改善に努める、としています。

世界では圧倒的No.1のアマゾン。中国では第三グループに甘んじる?

アマゾン中国

報告では、売上シェアでその他に分類した、1号店、亜馬遜(アマゾン)中国、当当、聚美優品などを第三グループと呼んでいます。ここで注目されるのは1号店とアマゾンです。

1号店は、ウォルマート傘下の通販サイト。上海周辺を中心にネットスーパーとして一定のちメイドを獲得していました。ウォルマートとJD京東が戦略的な協力関係を深めるなか、1号店はJD京東に吸収される方向となりました。

アマゾン中国は9月から“高級”人材の募集を1000人以上の規模で始めています。募集職位の中には、ソフトウエアのエンジニア、AIアシスタントAlexaのエンジニア、マーケットプレイスへの出店者向け融資サービスAmazon Lendingの責任者、また天猫店の責任者というポストもあります。実はアマゾンは天猫で「Amazon官方旗艦店」「亚马逊图书旗舰店」「kindle官方旗舰店」の3店舗を出店しているんですね。

とにかく一度中国市場で煮え湯を飲まされたアマゾンの、本格反攻開始?になるのでしょうか。

専門通販の存在感アップが始まる?ベビー用品専門「蜜芽」の躍進

中国の「蜜芽」

「報告」は、以上のような総合通販サイトとは違う、専門的な垂直型ネット通販サイトにも、見るべきものがあると指摘しています。その代表として中国最大のベビー用品専門サイト「蜜芽」を挙げています。

蜜芽は、全職媽媽(専業主婦)だった劉楠于が2,011年創業しました。簡単、安心、そして楽しいベビー用品の買い物体験を提供すること、を目指しました。2014年からは順調に融資を集めることができるようになり、業容拡大のペースが上がります。2017年の上半期には、5000のブランドを展開し、そのうち2000はブランド持つ企業との戦略合作商品です。今や商品は20万種を超え、マタニティー、ベビー用品だけではなく、化粧品、日用品、家庭用品全般に進出しています。

国内3カ所、寧波、重慶、鄭州に保税倉庫を持ち、また海外5カ所、香港、オーストラリア、ドイツ、アメリカ、日本に商品調達拠点を持っています、越境Eコマースでも重要な地位を占めるようになりました。

中国のネット通販業界はこれまでモール中心の成長が続いていました。しかし中国の消費の多様化により、専門通販が今後伸びてくる可能性も十分考えられます。中国進出を考えておられるメーカーさんは、このような動向にも注意を払っておく必要があるかも知れません。