中国ネット通販最大のイベント「双十一」(ダブルイレブン、独身の日)迫る。天猫、京東の戦略は?

明日からもう11月ですね。ということは、皆さんすでにご存知の11月11日、中国最大の小売りイベント「双十一」(独身の日)が迫ってきました。弊社上海TU社内でも準備に大わらわの状態です^^;

2017年独身の日

今年は大手ECモールがみな小売新時代を標ぼうしていて、例年以上に見どころ満載です。まずは、簡単に昨年の独身の日を振り返ってみましょう。

2016年の独身の日の売上は1770億元(1元=17.14円)と1日で3兆円を超えました。シェアは天猫(アリババ)68.2%、京東(JD)22.7%、蘇寧2.2%、その他6.9%でした。今年は全体で2000億元突破が見込まれています。ではシェアはどうなるのでしょうか。今年も主役は天猫だが、シェアは減らすだろう、という論調がネットでは多く見られます。理由の一つは京東が相当気合を入れまくっていることにあります。

京東(JD)は騰訊(テンセント)と組んでアリババ包囲体勢?

京東のトップページ

ネットニュース上では、京東の発信力は増しているようです。株式時価総額ではアリババ4530億ドル(中国企業の第1位)に対し、京東559億ドル(同23位)と8倍もの差をつけられていますが、今年の奮闘ぶりを見ていると、この差を少しでも埋めてやろうという意気込みが感じられますね。

京東は10月中旬「京東零售(小売り)創新戦略暨11.11全球好物節啓動発布会」を開催しました。そのポイントは、時価総額4254億ドル(中国企業2位)の騰訊(テンセント)と協力し、オンライン、オフラインの小売融合という課題の「解決」を目指す、とした点です。無人スーパー、無人コンビニ、自動倉庫、無人配送車、プラットフォームの開放などを、騰訊だけではなく「今日頭条」「百度」「奇虎360」「網易」「捜狗」というネット界の有力メンバーたちと共同して行い、「双十一」(独身の日)に臨むそうです。いかにもオールスターキャストって感じですので、うまく機能すれば、とんでもないパワーを発揮するかも知れません。

が、見かけは派手でも当日になるとトーンダウン、というのも中国EC業界ではよくあることですので(笑)、期待半分で見ておくのがいいのかも知れませんね。

とはいいつつ、実際に毎日、天猫と京東の担当者とやり取りしている感じでは、今年はいつになく天猫のほうが焦っている雰囲気もあります。去年は逆でしたけどね。ひょっとしたら、上のオールスターキャストの影響力を天猫も気にしているのかも知れません。

ウォルマートも京東側に加勢??

京東のトップ、劉強東はこの試みを「無界零售」と名づけました。第四次小売り革命だそうです。大変な気合の入りようです。

JDとウォルマート

無界零售下の独身の日とはどんなものになるのでしょうか。その中心は京東とテンセントです。京東は、テンセントの持つ巨大な「連接能力」(微信、QQなど)をあてにすることができるようになります。何しろSNS「微信」の利用者は9億人を超えています。そしてオンライン、オフラインのショッピングと、SNSのデータとの初の「全面整合」により、消費者へ「極大」の利便を提供するそうです。他の社については「流量運営」を共同で進行させる、ということです。なにしろ中国ネット民の長時間見ているアプリ20傑のうち7つはこの6社のものです。彼らのページから誘導してもらえれば、なんかすごーーく売上も上がりそうな感じもしますよね。

さらに、オフラインの雄、ウォルマートも京東にチカラを貸すようです(ちなみにウォルマートは京東の大株主)。独身の日の期間中、京東の無人コンビニと無人スーパーを、全球総部(世界本部)園区に正式開業します。この園区には将来5万人の従業員が働き、そのうち4万人が技術者となるそうです。アップルやグーグルの本社をイメージしているでしょう。ここに無人店を開くことで、顧客認証の方法や識別など、無人運営の過程を紹介します。

その他 象徴的なケースとして、独身の日期間中、全国のウォルマートを京東の倉庫に変える、と称しています。京東とウォルマートは関係を深めていますが、8月に共同で行った大型販促企画が成功を収めました。期間中における新しい京東の顧客は、その50%がウォルマート経由だったとのこと。また京東ウォルマート旗艦店の売上は13倍を記録しました。二匹目のどじょうを積極的に狙っていこうというわけです。

迎え打つ天猫(アリババ)の戦略は

京東の確立しようとしている体制の強烈さは、昨年の比ではないように思えます。これに対して、「独身の日」の創造者にしてトップ企業のアリババは、どのように迎え撃つつもりでしょうか。

tmallのファッションページ

まず伝えられたのは、Only、Vero Moda、 Jack Jonesなどのファッションブランド各社に対し、京東からの撤退を迫ったことです。踏み絵をせまり、囲い込みを図りました。第二四半期だけに絞れば、天猫51.3%、京東32.9%とシェアは接近しています。あせりがあるのは間違いありません。京東は天猫が強味を持つ靴を始めとする服飾部門に、攻勢をかけていたところでした。それに対する天猫の答えがこれというわけです。京東と唯品会は連合して、不当競争に当たる、との声明を発しています。

その他直近のニュースになると、天猫の紅包(お年玉)を攻略するには?半額の車を買うには?プレセールが開始された、などすでに現実的な話題に移っています。売上目標は昨年比24%アップの1500億元だそうです。

物流網の整備など配送の高度化に関するニュースなどは、双方同じように発信しています。そうしてみると天猫は、今年の独身の日に限っては、どうも京東のような大きな戦略をぶち上げた、ということはなかったようです。事前のアピール合戦では、京東のペースだったといえます。攻めの京東、守りの天猫という構図です。2017年、両者のシェアはどう変動するのでしょうか。とても楽しみです。

いわずもがなですが、私たち日本の商品を中国に売るものの立場としては、天猫とも京東とも良いお付き合いをして、中国でのマーケティングが成功すれば言うことはありません。双方が発展させていく中国の小売業界の動きに遅れないよう、動向チェックしていく必要がありますね。